5/9タクトの練習室(大)で2枚目のCD「Cat Lover Blues」の録音を行いました。
タクトでの演奏は何度か経験がありますが、練習室を使うのは初めて。駐車場から全ての部屋へフルフラットとで明るい動線が確保されており、機材の持ち込みがとても楽です。設計が新しいということはこういう事なんだなあと感じました。
部屋は、演奏者4人に録音スタッフと付き添いがいても広すぎず狭すぎず丁度よい広さで、今回は使いませんがドラムセットも別料金なしで借りられます。
ピアノはアップライトだけれどスタインウェイ。500万円以上すると思われます。これが2カ月くらいの頻度で調律が入るそうなので、私が使うには十分なコンディションです。新品に近いので音が出ませんが、音を出さないピアノと折り合いをつけながら演奏するのはピアニストのだいご味でもあると思ってます。良い楽器は簡単には鳴りませんからね。
録音はZOOM R18での一発録り、マイクはピアノ2、ドラムス3、ボーカル1で、ベースはラインで録ります。タクトにバンドのレコーディングが入るのは初めてのようで、スタッフさんが心配して見に来てくれて、特に音響担当のTさんにはプロのアドバイスがもらえてありがたかったです。録音はボーカルのノドのコンディションに合わせて、軽い曲からスタートです。
1曲目 Martini & Olives
「お酒だけではマティーニじゃない オリーブがあってマティーニになる あなたと私の関係もきっとそうよ…」というちょっと大人の関係を描いた唄です。とても素直で簡単なメロディーなのでコンサートの時は客席にも歌ってもらおうという魂胆で作りました。
うちでは、テイクが終わる度にみんなでスピーカーで聴いて、O.K.が出るとマスターに入れてという昔ながらの作業でやっています。自分が失敗しても他のみんなに「そんなとこ誰も聴かないから…」などと言われて世間の冷たさを感じる作業でもあります。
2曲目 In Your Eyes
「キスをしようとして恋人の瞳に映る風景を見て秋を感じた」という情景をワルツに乗っけた曲です。この曲だけは思いっきり若いころに作って、あちこち修正を加えながら、タイトルも変更しながら演奏してきた曲で、ボーカルを入れて演奏するのは早苗ちゃんが初めてです。
CDでは出だしの曲になるので少し長めのピアノのフリーのイントロから始まります。ここにホールトーンスケールをなんとなく入れたらスタッフ受けしたのでそのまま入れて録りました。ホールトーンスケールというのは1音ずつ離れて並ぶ音の連なりで、自分と同年代の人なら「アトムの唄」が始まるときのポロロロ…ロンと言えばわかるかな。
あっという間に2時間が経過し昼食へ。千石町にある隠れた名店「うめどん庵」でエネルギーチャージ。このお店はうまくてボリュームがあってしかも安い。てんぷらは揚げたてが出てきます。店内は昭和そのもの。大好きなお店です。
3曲目 Hot Sand Samba
ホットサンドイッチが焼ける臭いでうれしくて目が覚めたという唄です。サンバなのでどう演奏するか迷って、結局ベースにジャコパスの「チキン」みたいなパターンを繰り返してもらい、それにリズムとハーモニーで色付けした感じで演奏してます。なんとかピタッと決まってO.K.が出ました。
4曲目 Illusions
リチャードバックの小説の1シーンを歌にした曲です。1974年くらいに「カモメのジョナサン」という小説が世界の大ベストセラーになって、彼がそのあと出した救世主が退屈しのぎに複葉機のパイロットをしているという作品が「イリュージョン」です。
昭和に流行った小説を土台にしているので昭和の歌謡曲の要素を入れようと思い、辺見マリさんの「経験」のイントロの一部分を唄のバックに忍ばせております。
5曲目 Across The Bridge
1枚目のCDにはインストで入れているんですが、このCDではボーカルのバラードでしっとりと演奏しています。同じ曲なのですが同じ曲とは思えない、1つぶで2度おいしいみたいな曲です。この橋を渡るといいことが待っている…
6曲目 Cat Lover Blues
「ネズミを捕らない猫がいる おかしいんじゃねえか? でもメチャキュートだぜ」という唄の付いているオリジナルブルースです。
今回のCDのタイトル曲でもあります。CDの画像は我が家の「チャー」という三毛猫が子猫だったころの写真をデフォルメして作りました。
ジャズのスローなリズムに乗せて7変化する春山早苗のフレーズ、ご期待ください。
5月29日(土)BAR ChiC Live にて発売開始の予定です。6曲入り600円です。